青木玲──僕たちの心を射抜いた、孤高の知性と触れがたい美の伝説

その衝撃を、今も忘れることができない。 2000年代半ば、ブラウン管の中に現れた彼女、「青木玲」は、それまでのAVの世界に存在したあらゆる常識を、そのクールな眼差しひとつで覆してしまった。

「現役国立大学生」

その肩書きは、単なる記号ではなかった。 彼女の全身から放たれる、凛とした知性と、他者を寄せ付けないほどの気品。それは、他の誰にも纏うことのできない、彼女だけの絶対的なオーラだった。媚びることを知らず、ただ静かに、そこにいる。その孤高の美しさに、私たちは一瞬で心を射抜かれたのだ。

彼女の魅力は、その完璧な「クールビューティー」としての姿が、我々の前でだけ、ゆっくりと解かれていく、その過程にあった。 決して崩れることのなかった知的な表情が、戸惑い、羞恥に染まり、やがて、どうしようもないほどの熱を帯びていく。それは、まるで難攻不落の城が、自分のためだけに静かに城門を開けてくれるような、究極の征服感と背徳感を伴う体験だった。

私たちは、ただの映像を見ているのではなかった。 触れることすら許されないと思っていた、高嶺の花の「秘密」を、その心の奥の「告白」を、ただ一人の目撃者として共有している。その甘美な錯覚に、どうしようもなく溺れていったのだ。

彼女は、最後までその気品を失わなかった。 どんなに乱れても、その魂の奥にある「知性」と「品格」は、決して揺らぐことがなかった。だからこそ、彼女の存在は、AVという世界のイメージそのものを、一段階、上へと引き上げたのだ。彼女は、ただの女優ではなく、一つの時代の価値観を変えた、革命家だったのかもしれない。

そして、人気が絶頂にあったその時、彼女はまるで流れ星のように、忽然と姿を消した。 その鮮やかすぎる引き際は、彼女の存在を、忘れられない「伝説」として、私たちの心に永遠に刻み付けた。

青木玲。 彼女は、多くの男たちの青春そのものだった。 あのクールな瞳の奥に、私たちは何を見ていたのだろうか。 今となってはもう、確かめる術はない。ただ、あのどうしようもないほどの焦燥感と、胸を締め付けるような切なさだけが、美しい記憶として、今もここに在り続ける。