加美杏奈──あのステージで流した汗と涙の、その続きの物語

あの熱狂を、覚えているだろうか。 劇場のステージの上、必死に汗を流し、夢を追いかけていた、一人の少女。 SKE48・荻野利沙。 彼女が、私たちの前から姿を消した時、その物語は、そこで終わりを迎えたのだと、誰もが思っていた。

しかし、物語は、終わってはいなかった。 「加美杏奈」として、彼女は、再び私たちの前に現れた。 以前とは全く違う、あまりにも衝撃的で、あまりにも官能的な輝きをその身にまとって。

その報に触れた時、感じたのは、単なる驚きだけではない。 一度は夢破れた(あるいは、自ら手放した)少女が、それでも、もう一度、自分だけの光を見つけようともがく、その壮絶なまでの覚悟に対する、畏敬の念だった。

彼女のAVデビューは、「転落」などという、陳腐な言葉で語られるべきではない。 これは、彼女が自らの人生の脚本を、自らの手で書き換えた、「再生」と「逆襲」の物語だ。 誰かに評価されるのを待つのではなく、自らが輝ける場所を、自らの意志で選び取る。その選択は、あまりにも潔く、あまりにも強い。

彼女の作品に触れるとき、私たちは、その奥に、かつての「アイドル・荻野利沙」の魂の残滓を見る。 カメラに向けられる、完璧な笑顔。 観客を喜ばせようとする、健気なまでのサービス精神。 その、アイドルとして培われた全てのスキルが、今、AV女優・加美杏奈として、生々しいエロティシズムと融合する。 その、あまりにも奇跡的で、あまりにも背徳的な化学反応に、私たちは、もう目を逸らすことができない。

これは、かつて応援していたアイドルの、その後の人生を、最もプライベートな形で覗き見る、禁断のドキュメンタリーだ。 あのステージの上では、決して見せることのなかった、一人の「女」としての、本当の顔。 その秘密を、今、私たちだけが、共有することを許されている。

加美杏奈。 彼女は、終わった夢の続きを、誰にも想像できない形で、私たちに見せてくれた。 あの頃、彼女に送った声援は、決して無駄ではなかった。 形は変われど、彼女は今も、私たちの前で、誰よりも激しく、誰よりも美しく、輝き続けているのだから。