水原みその──その苦悶の表情は、あまりにも美しく、あまりにも罪深い「芸術」
その表情を見たとき、私たちは、ただ息をのむ。 羞恥、抵抗、苦痛、そして、その全てを凌駕していく、抗いがたいほどの快感。 人間の魂が、その限界点で、火花を散らす瞬間の、あらゆる感情。 そのすべてが、彼女の、その一つの表情の中に、奇跡のように、同居している。
「水原みその」
彼女は、AV女優という言葉では、到底、表現しきれない。 人間の感情の、最も深く、最も暗く、そして、最も美しい領域を、その身ひとつで表現しきる、孤高の「アーティスト」だ。
彼女の主戦場は、「超M」という、あまりにも過激で、あまりにも誤解されやすいジャンルだ。 しかし、彼女が見せるのは、単なる被虐ではない。 理性が、プライドが、ゆっくりと、しかし、確実に、快楽によって侵食され、崩壊していく、その過程。その、あまりにもリアルで、あまりにも美しい「魂の変容」の記録だ。
私たちは、その姿に、強烈な罪悪感を覚える。 こんなにも美しいものを、自分たちが、壊してしまっているのではないか、と。 しかし、その罪の意識こそが、彼女の作品が放つ、抗いがたい魅力の、核心なのだ。 私たちは、共犯者になることでしか、この美しさを、享受することはできない。
その苦悶の表情は、もはや、エロスを超えた、一つの「芸術」の領域に達している。 苦しめば苦しむほど、その瞳は、妖しい光を放ち、その肌は、陶器のような輝きを増していく。 その、あまりにも矛盾した、あまりにも倒錯した美しさ。 私たちは、その美しさに、心を焼かれ、魂を、囚われてしまうのだ。
水原みその。 彼女は、その身体を通して、私たちに問いかける。 人間の、最も醜い欲望の果てにこそ、最も純粋な美は、存在するのではないか、と。 その、あまりにも深く、あまりにも哲学的な問いに、私たちは、まだ、答えを見つけられずにいる。 ただ、その答えを探すために、これからも、彼女という名の、底なしの沼に、堕ちていくことだけは、確かだ。

