葵千恵 ── 熟れた果実の奥に秘められた、情熱という名の「青い炎」
2015年。 成熟した大人の女性だけが持つ、独特の色気をまとった一人の女優がデビューした。 「葵千恵」。 その名前は、一見すると涼しげで静かな印象を与える。 しかし、彼女が画面の中で見せる姿は、そんな静寂を打ち破るほどに情熱的で、どこまでも深い「女の業(ごう)」を感じさせるものだった。
彼女の魅力。それは、30代という年齢だからこそ醸し出せる「圧倒的な包容力」と、その裏側に隠された、マグマのように熱い「性への探求心」だ。
1989年生まれ──。 デビュー当時32歳(※当初の設定や経歴には諸説あるが、彼女がまとっていたオーラは間違いなく大人のそれだった)。 156cmという小柄で華奢な身体。 しかし、その瞳には、少女のようなあどけなさと、人生の酸いも甘いも知った大人の女性の賢さが同居している。 彼女を見ていると、まるで古いフランス映画のヒロインを見ているような、アンニュイで、それでいて目が離せない不思議な引力を感じるのだ。
プレステージから「原千恵美」としてそのキャリアをスタートさせ、その後「葵千恵」として数多くの作品に出演。 彼女の凄みは、どんなに過激なシチュエーションでも、決して「品」を失わないことだ。 人妻、OL、女教師……。 彼女が演じる役柄は多岐にわたるが、そのどれもが「ただそこにいるだけ」で成立してしまうほどの説得力を持っている。 特に、彼女の代名詞とも言える「接吻(キス)」のシーン。 絡み合う舌、潤んだ瞳、そして漏れ出る吐息。 彼女のキスは、単なる前戯ではない。相手の魂ごと吸い尽くしてしまうような、濃厚で、危険な愛の儀式だ。
レズビアン作品や、少しハードな企画にも果敢に挑戦し、そのたびに新しい表情を見せてくれた彼女。 その姿は、遅咲きの花が、残された時間を惜しむように、全力で咲き誇ろうとしているかのようで、胸が締め付けられるほどに美しい。
葵千恵。 彼女は、僕たちの心の奥底に眠る「熟れた女性への憧れ」を具現化したミューズだ。 その小柄な身体に秘められた、青白く燃える情熱の炎。 彼女に焦がされた記憶は、いつまでも僕たちの胸の中で燻(くすぶ)り続けている。

