卑弥呼 ── ミス日本の肩書きを脱ぎ捨てた、ダイヤモンドの「極彩色の伝説」

Legend 卑弥呼

卑弥呼

300円

1990年。 バブル経済の熱狂がまだ人々の心に残っていたあの時代に、ダイヤモンド映像からとんでもない経歴を持つ新人が現れた。 卑弥呼。 そのパッケージには「ミス日本・東京代表」という、アングラな世界においてはあまりにも眩しすぎる肩書きが躍っていた。 当時、そのインパクトは計り知れなかったはずだ。 「あのお堅いコンテストの選出者が?」という背徳感と、覗き見趣味をこれでもかと刺激する仕掛け。 しかし、彼女の真の凄さは、その肩書きさえも霞むほどの「圧倒的な肉体美」と「底抜けの明るさ」にあった。

彼女の最大の魅力。それは、日本人離れした166cm・B90cmのグラマラスな肢体と、高貴な経歴を微塵も感じさせない「奔放なスケベ心」だ。

「日本版トレイシー・ローズ」とも称されたそのボディは、まさに肉感の芸術。 画面の中で彼女が動くたびに、むせ返るような色気が放たれる。 けれど、そこにジメジメした陰湿さは一切ない。 彼女は常に楽しそうで、能動的で、そして輝いていた。 村西とおる監督率いるダイヤモンド映像特有の、ゴージャスでハイテンションな演出に、彼女のキャラクターは完璧にハマっていた。 まるで「セックスは楽しいことだ」と全身で表現しているかのような、あの屈託のない笑顔。 私たちは、彼女の高貴な名前と経歴に興奮し、その後に見せつけられる人間臭い快楽の表情に、二度、三度と心を奪われたのだ。

出演作品はわずか6本ほど。 その活動期間の短さもまた、彼女を伝説にした要因の一つだろう。 パッと咲いて、パッと散る。 その潔さは、まさにバブルの残り香が漂う時代の徒花(あだばな)のようだ。

卑弥呼。 彼女は、1990年代初頭のアダルトビデオ界に舞い降りた、極彩色のミューズだ。 ミス日本という聖域から、欲望のど真ん中へ。 そのダイナミックな落差と、彼女が残した強烈な「陽」のエネルギーは、今も色褪せることなく、あの日見た夢の続きとして僕たちの記憶に焼き付いている。