桃井望 ── 永遠に止まった二十四歳の時間。あまりにも儚く、あまりにも鮮烈だった桃色の記憶

2001年。 インディーズメーカー、ドグマから『青い性欲』という衝撃的なタイトルと共に、一人の少女が現れました。 桃井望。 彼女の名前を思い出すとき、僕たちの胸には今も、言いようのない切なさと、あの頃の少し尖った熱狂が蘇ります。 彼女は、単なるアダルトビデオの女優という枠を超えて、2000年代初頭という時代の空気そのものを纏っていたような気がします。

彼女の最大の魅力。それは、150センチの小さな身体に宿る、壊れてしまいそうなほどの「可憐さ」と、すべてをさらけ出す「ひたむきな情熱」です。

吸い込まれるような大きな瞳に、少し高い、甘えたような声。 堤さやかさんや長瀬愛さんらと結成したアイドルユニット、minxでの活動。 笑顔で歌い踊る彼女の姿は、まさに時代の最先端を走るアイドルの輝きそのものでした。 けれど、ひとたび作品の世界に入れば、彼女は誰よりも激しく、誰よりも一生懸命に、僕たちの欲望を受け止めてくれました。 あの、少し恥じらいを含んだ笑顔が、快楽の波に呑み込まれていく瞬間。 そのリアルで、かつ劇的な表情の変化に、僕たちは自分たちの一部を投影し、深く、深くのめり込んでいったのです。

しかし、2002年10月。 その輝きは、あまりにも唐突に、そしてあまりにも残酷な形で失われてしまいました。 信じたくない訃報。真相が今も闇に包まれたまま、彼女は二十四歳という若さで、永遠に帰らぬ人となりました。 あの日の衝撃と、心にぽっかりと開いた大きな穴。 それは、彼女と共に青春の一頁を刻んでいた僕たちにとって、一つの時代が強制的に終わらされたような、耐え難い喪失感でした。

彼女が去ってから、もう長い年月が経ちます。 それでも、彼女の作品を手に取れば、そこにはあの日と変わらない、瑞々しいままの桃井望がいます。 悲劇的な結末があったからこそ、彼女の笑顔はより一層の切なさを伴って、僕たちの心に突き刺さるのかもしれません。

桃井望。 彼女は、僕たちの記憶の中で、永遠に年を取ることのないマドンナです。 あの桃色の季節に、彼女が僕たちに見せてくれた夢。 その儚くも眩しい光は、どれだけ時が流れても、決して消えることはありません。 さようなら、のぞみん。 君が駆け抜けた短い季節を、僕たちは一生、忘れることはないでしょう。

赤い性欲 桃井望

桃井望

310円