亜紗美 ── 血と硝煙の匂いを纏った「最強の女」。彼女はAV女優の枠を、その拳でぶち破った
2005年。 九鬼からデビューした一人の少女。 亜紗美。 当初は美少女系・ロリ系としての活動もあったというが、私たちが記憶している彼女の姿は、もっと獰猛で、もっと美しい「戦う女」としての姿だ。 160cmという、決して大柄ではない身体。 しかし、スクリーンの中の彼女は、誰よりも大きく、強く見えた。
彼女の最大の魅力。それは、AV女優という出自を持ちながら、日本のアクション映画史にその名を刻んだ「圧倒的な身体能力」と、返り血さえも化粧に変えてしまう「狂気の美しさ」だ。
井口昇監督に見出され、『片腕マシンガール』や『ロボゲイシャ』といった作品で見せたキレのあるアクション。 そして何より、彼女のキャリアの到達点とも言える『女体銃 ガン・ウーマン』。 全編英語、過酷な肉体改造を経て挑んだその壮絶な演技は、もはや「元AV女優」という肩書を完全に過去のものにした。 血にまみれ、泥に汚れ、それでも鋭い眼光を失わない彼女の姿は、ただただ美しかった。 それは、作られた可憐さではなく、生き抜くための野生の美しさだった。
もちろん、AV作品においても見せた、Sっ気のある強気な眼差しや、逆にハードな責めを受け入れる懐の深さも忘れられない。 彼女はいつだって、身体を張っていた。 魂を削って、表現していた。
2019年、アクション女優引退を表明。 彼女が駆け抜けた道は、決して平坦ではなかったはずだ。 けれど、彼女が残した「強さ」の系譜は、間違いなく後続の女優たちに勇気を与えている。
亜紗美。 彼女は、僕たちの心に火をつけた、孤高の闘士だ。 その拳(こぶし)で切り開いた未来と、彼女が流した血と汗の輝きを、僕たちは決して忘れない。 戦う女は、いつだって美しいのだから。

